東大海洋研で古地磁気の測定器にシビレるPart1
柏にある東大海洋研のYさん所属の研究室にお邪魔しました。
岩石の磁化を測定する測定器を見せて頂きました。
見せてい頂いた岩石の持つ磁化(=磁石)を測る装置です。
少し詳しい解説も書こうとしていて書きかけなのですが、脳力が足らず書けないかもしれないので、とりあえず写真だけでもpostします。
地球磁場をシールドする円筒(多分、三重シールド)の中に円筒コイルがあり、その中心に岩石試料を入れます。試料が中で回転するのですが、1軸の回転ではなく、3軸でグルングルン回ります。
こちらは、熱をかけて試料の磁化を消し、同時にDC(直流)磁場をかけて人工的な磁化をつける装置です。
やっぱり、測定器って面白いです。
ELOG-MTで磁場の脈動を観測しました
先日、跡津川断層の周辺の野外調査に参加させて頂きました。 ntaka206.hatenablog.jp
その調査にて、当社製のMT観測装置ELOG-MT(電場2CH 磁場3CH)に
P社のインダクションセンサーをELOG-MTに接続し三成分磁場を測定しました。その測定データ中にいくつか磁場脈動波形とそれに誘起された電場波形がありました。
15Hzサンプルで、上からEX(N-S電場), EY(E-W電場), 磁場HX, HY, HZ です。
Y軸単位はADのLSBで、スケールは自動設定なので統一されていません。
X軸範囲は1時間で、UTの17時台(JST 2時)です。
インダクションセンサーはプリアンプを内蔵していますので、その出力をAD変換してELOG-MTが磁場波形を記録できるのは当り前なんですが。
一応、当社製ELOG-MTが野外観測で自然の磁場変動を観測できたということです。
学会発表で当社製電場測定器の貢献を評価して頂きました
地球電磁気・地球惑星圏学会の発表を聞きに熊本に来ております。
九州大学のA先生の発表で、当社の電場観測装置ELOG1K(2CH 1024Hz)が九州全域のMT観測に貢献していると言及して頂きました。
MT観測とは地表の電場と磁場を観測して、その比を取ることで地下の電気的構造(電気抵抗)を探る技術です。
当社のELOG1Kは電場の観測に使って頂いております。
小型・軽量・低消費電力で野外観測の簡便化・機動化に役立っていると思います。
この図は、発表で使われたものを九州大学のA先生に提供して頂きました。
青い旗がELOG1Kで観測をした地点だと思われます。
自分が設計・製作した測定器が観測で役立っているのは、とてもうれしいです。
昨日の講演の内容を私なりに理解しますと、こんな感じです。
MT観測によって地下の電気的構造(電気の流れやすさ・流れにくさ)が分かる。比抵抗構造と言います。
電気の流れやすい場所(低比抵抗と言います)が分かる。
電気の流れやすい場所は、柔らかい場所である。
柔らかい場所(=低比抵抗)の周辺に被害を起こすような大きめの地震の震源が分布する。
低比抵抗の周辺で起こる地震の推移(増加など)に注目すれば、被害を起こす大きな地震の発生を警告出来るかもしれない。
そのためには、事前にMT観測で地下の構造(低比抵抗の場所)を調べておく必要がある。