九州火山紀行 阿蘇編

九州火山紀行の最終日は阿蘇山に向かいました。

カルデラ縁の展望台にあった、阿蘇全体の俯瞰図です。阿蘇カルデラの全貌が良く分かります。

 

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有名らしい?展望台である大観峰に来てみました。 

 

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カルデラの縁からカルデラ内を望みます。残念ながら中心の中央火口丘(カルデラ内中心の山)は雲に隠れて見えません。それでも、カルデラの大きさを実感しました。カルデラ内に街があり鉄道が通っているということを実際に目にして、改めてその巨大さに驚きました。

 

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 パノラマでも撮ってみました。

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晴れの時の展望を見たい方は下記リンクで見られます。 

阿蘇山 - Wikipedia

 

飛行機の時間が迫っていたのでカルデラ内はすっ飛ばして、いきなり阿蘇山ロープウェイ駅まで来ました。 

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 残念ながら火山活動の活発化のためロープウェイは運休中でした。訪れたのは9月30日だったのですが、この後10月8日に噴火が起こっています。ちょっと危なかったですね。

 

背景の雲でよく分かりませんが、阿蘇山の上げる噴煙がもくもくと見えます。しばらく見入ってしまいました。 

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九州火山巡りの最後は、この雄大な阿蘇山の噴煙を見て終わりました。九州の火山の迫力を感じることが出来ました。また、実際のMT観測の現場を体験することが出来て、今後の製品開発にも生かすことが出来そうです。

今回、九重山や島原には行っていませんので、また機会を作って九州に訪れたいと思います。

 

九州火山紀行 熊本MT観測編

火山紀行と言っても、今回は火山の観測というわけではないです。フィールドでの観測機器設置に参加して来ました。熊本のある地域にメッシュを切り、磁場と電場を測る観測装置を置いていき数週間程度観測します。その設置作業に1日だけ参加させて頂きました。この前日には大分で観測していた観測装置を撤収して移動してきたそうです。

この観測により、四国から伸びてきた中央構造線の位置を決める手がかりを得ることも出来るかもしれないそうです。九州ではその位置がはっきりしていないそうです。地表に出ている断層は全体の一部なので、地下でどうなっているのかを知ることが重要です。

長期間の観測・設置作業のほんの一日だけですが、自分の製作した観測装置がどんな現場で使われているのかを見るためと、フィールドでの作業を体験しに来ました。

 

一番最初の設置点は田んぼでした。まだ雨が降っている中での作業です。

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九州大学の学生さんが田んぼに電極を埋めるための穴を掘っています。院制ではなく学部生の方ですが頼もしいです。 

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手前の青いジャケットの方が九州大学のA先生です。奥の方の方が東京大学のU先生です。今回は大変お世話になりました。ありがとうございました。

フィールドでは先生自らが汗を流します。そういうところが好きです私は。

電場を測定する電極を東西、南北方向に設置するために距離と方角を測定しています。

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設置が終わりました。田んぼの真ん中にぽつんと緑色のシートで包まれた観測装置があります。 これから数週間もくもくと観測してデータを溜めます。おーい、がんばれよ~。

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別の観測点です。当社製の電場観測装置(ELOG1K)がプラケースの中に入っています。軽量で低消費電力なので重たいバッテリーも少なくて済み、観測の負担軽減に役立っているとのお言葉を頂いております。

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ササッと設置完了です。電極のケーブルが奥から手前に伸びています。ここは畑なので穴は掘りやすかったです。

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また、違う設置場所です。ここは砂利混じりの硬い地面です。なんとか掘り起こして電極を設置します。 

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 電極を埋めました。

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設置終了!こんな感じです。 地面は結構水浸しです。

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これ以外にもダム湖近くのせまい林道を走った山の中や、峠道から山の中に入った観測点の設置も行い大変でした。やはりフィールドでの観測は骨が折れますね。悪天候や予期しないトラブルに襲われます。私は一日だけの参加でしたが、設置作業全体は一週間位続きます。研究のためとはいえ汗を流している研究者の方々には頭が下がります。地震・火山国である日本の地下構造を調べることは、防災のための基礎データになると思います。(<-受け売りですが) 今回のようなMT観測では、未だ日本全国を網羅した基礎的な調査は行われていないようです。こういった仕事に世間の注目が集まり、人員や機材が充実して研究者の方の負担が減ることを願います。

 

今回の観測はMT観測(電磁探査)というもので、地表での磁場と電場(地面の電圧)を測定することで地下深く(kmオーダー)の電気の流れやすさ(比抵抗、電気抵抗)の構造を調べます。水分が多い所や砂地の部分、断層などは電気が流れやすいそうです。火山だとマグマで熱い部分と冷たい岩石の部分で電気抵抗が違います。一般向けの解説書としてはこれがおすすめです。

地底の科学 地面の下はどうなっているのか (BERET SCIENCE)

地底の科学 地面の下はどうなっているのか (BERET SCIENCE)

 

この本にはWEBで特集サイトもあります。より詳しく知りたい方は参考にして下さい。

ベレ出版「地底の科学」特集サイト http://obem.jpn.org/chitei/index.html

 

九州火山紀行 霧島編

桜島の後、霧島の温泉宿に一泊して朝早めに発ちました。

霧島火山に向かって車を走らせていると、対向車線の真ん中になにやらバルーンぽいものが、、、、。

この写真は道路の端に移動させてから撮ったものです。 

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なんと!気象観測のラジオゾンデです。ラッキー 

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前日夕方に放球したものが夜間のうちに着地したようです。

落ちたのが片側車線の真ん中で、ちょうど車がまたぐ位置だったのでタイヤに踏まれなかったようです。ラッキー!

前からコレ欲しかったんですよね。幸先の良いスタートです。

 

さて高千穂河原に到着です。奥に鳥居が見えます。左手にビジターセンターもありますがまだ開館していません。

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この鳥居の先に霧島神社の古宮址(ふるみやあと)があります。ここから先は聖域ですね。

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霧島神宮は、元はこの場所にあったそうです。13世紀の噴火で被害を受けて麓の方に移転しましたが古宮阯として残っています。この場所では今でも年に1回、天孫降臨の儀式が行われているそうです。 

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周辺には散策路が整備されています。

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坂本龍馬も新婚旅行で登山したらしい高千穂峰の方角を望みます。しかし、ここから見えるのは手前の御鉢の火口縁です。鞍部の向こうに火口があります。雲が多くて残念です。

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高千穂河原を後にして、えびの高原へ向かい、えびのエコミュージアムセンター(いわゆるビジターセンター)駐車場に着きました。韓国岳(からくにだけ)への登山が出来るかなと思ったのですが、車での移動途中に雨が激しかったため断念しました。その後、雨も上がり韓国岳がなんとか見えました。韓国岳ももちろん火口ですが現在は活動していないようです。この周辺には噴火口がゴロゴロしています。

下の写真が韓国岳です。中央左の鞍部の尾根伝いが登山道になっているようです。あの尾根の向こうに火口があるのでしょう。行ってみたかった、、、

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 解説板を見ると火口だらけです。

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天候が不安定で韓国岳はあきらめましたが、せっかく来ましたのでビジターセンターから3つの火口湖をめぐる2時間弱のコースを回りました。白紫池(びゃくしいけ)、六観音御池(ろっかんのんみいけ)、不動池です。これも昔の火口ですから。

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まずは白紫池です。静かです。

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六観音御池です。写真では良く分かりませんが綺麗な青色でした。

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不動池です。見る角度によってとても綺麗な青色に見えます。

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コースの途中で、鹿に二回も会いました。結構生息密度が高いのかもしれません。

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車を止めたビジターセンターまで戻る道です。えびの高原は広々としていました。

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この後、北側のえびの市に降りて九州自動車道熊本県菊池市まで向かいました。

 

 

九州火山紀行 桜島編

9月の終わりに熊本でのMT観測(電磁気観測)に参加してきました。

せっかくの九州行きなので鹿児島空港から入り桜島火山、霧島火山を周り、熊本で観測に参加してから阿蘇火山を見てきました。

自分の製品(ELOG1K 1kHz電場観測装置)が九州の火山観測に使われているのに、その火山に行ったことがないというのはアレだなと思いまして。

 

まずは鹿児島空港から桜島に行きました。

桜島大隅半島とつながっているので、車でそのまま行くことが出来ます。しかし、ちょっと遠回りです。もともとはつながっていなかったのですが大正の大噴火で、大隅半島の間の海峡を溶岩が埋めてしまいつながったのです。

大隅半島から見た桜島

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桜島に入り有村溶岩展望所から桜島火山を望みます。

 

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右側の若草色の部分は大正と昭和に流れ出た溶岩の台地です。

有村には集落がありましたが大正の噴火で溶岩の下になってしまいました。

こうやって観光地的に風景を眺めるのは気持ちが良いですが、噴火により住む所を追われた人たちはどんな気持ちだったでしょうか。

 

さらに西側に進んでから山を登り、湯之平展望所から桜島を望みます

 

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左のピークが北岳、右が南岳です。現在活動をしているのは南岳です。活動のせいか南岳のほうが山体が黒っぽく見えます。噴煙が出ているのかどうかは、雲があるためはっきり分かりませんでした。

 

湯之平展望所からは360度の眺望が楽しめ、対岸の鹿児島市も望めます。

鹿児島市桜島を結ぶフェリーが中央に小さく見えています。 

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帰りはフェリーで鹿児島市に渡りました。24時間運行だそうで驚きました。

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フェリーから桜島に別れを告げます。山頂がまた雲に覆われてしまいました。

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桜島では火山の圧倒的なエネルギーを感じて「来てよかった!」と思いましたが、火山(自然)による恵みを受けながらも、噴火や土石流という災害にも向き合わなくてはならないということに少し考えさせられました。

 

この本、九州自動車道PAで売っていたので購入して、帰りの飛行機でずっと読んでしまいました。桜島の大正噴火について書かれています。噴火予知の難しさとその社会的影響について書かれていて現代でも変わらない問題です。

復刻 桜島噴火記 ―住民ハ理論ニ信頼セズ…―

復刻 桜島噴火記 ―住民ハ理論ニ信頼セズ…―

 

 

製品紹介 VLF電波観測装置

 現在HP更新作業中のため、製品カタログをupすることが出来ませんのでblog記事として書かせて頂きます。この製品はお客様と観測と同時に開発を進めており、現在も発展途上なので発注を受けたらすぐに納品というものではありませんが、こんな製品も作っていますという紹介です。

 簡単に言ってしまうと、100MHzサンプルの6CH 12bit ADです。観測対象はVLF帯の電波でセンサーとしてインダクションコイルを使います。現在はお客様の方で電場アンテナも試作されている所です。地震に先行して生じると想定されているパルス状の電磁波信号を捉えることが目的です。あくまで研究中ですので、この装置ですぐに地震予知が出来るわけではありません。

 AD変換したデータに内蔵のGPS時計の時刻を付与して、データ保存用のPCにファイル保存します。AD変換器の制御はFPGAで行い、FPGAに内蔵したARM CPUでLinuxが動いています。ARM Linux上でAD変換データの処理とデータ保存用PCへの転送(専用線LAN経由)を行なっています。

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焼岳集中観測に参加して来ました

先週、北アルプスの焼岳集中観測に1日だけ参加してきました。焼岳は上高地からも見える活火山です。

京都大学北海道大学の先生方、職員さん、学生さんと一緒に焼岳で観測機器の設置をしてきました。というよりは、ほぼ見学なんですが。自社の製品が使われている現場を体験して来ました。設置した製品は、先日blogでも紹介したこれです。

ntaka206.hatenablog.jp

MT法と言って、磁場変化と地面の電圧変化を調べることで焼岳内部の温度分布を調べます。

 

既に中の湯側からの登山道を半分くらい登った所です。これより前に、当社の測器ではないですが磁場と電場を計測する観測点の設置がありました。これから登る焼岳をバックにして撮影。

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高山植物も色々ありました。これは花のように見えますが中身が詰まっているので実のようです。

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ほぼ山頂近くの設置点まで登りました。同じ集中観測の別の観測機器を運ぶヘリコプターが何回も荷揚げをしていました。

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設置作業でメジャーを引っ張って電極を埋める位置を決めています。写っているのは、今回とてもお世話になった京都大学のY先生です。

 

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これが地面の電圧を測るための電極です。テスターのプローブと同じ働きをします。穴を掘って水で湿らせてから埋めます。ちなみに電極は当社の製品ではありません。

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我社の製品(ELOG1K 1KHz電場観測装置)です。

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GPSによる時刻合わせが終了して測定を始めました。一安心です。

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現場で頑張る我が製品と共に。

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設置を行なった観測点よりも上に来ました。この谷を登って来ました。

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ほぼ山頂付近からの眺め。穂高岳とカール、右下に上高地を望みます。左側には西穂高ロープウェイの駅も見えます。

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火口湖が見えました。

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ここから、3時間程度かけて登山口まで降りました。下りでは膝がやられるのでサポーターを装着してダブルポールで降りました。そのお陰か、翌日は一応歩ける状態でした。ちょっと階段がきつかったですが。

自社の観測機器が現場で使われている様を見ることが出来て大変有意義でした。京都大学のY先生、北海道大学のH先生、ありがとうございました。

 

データ転送装置(ELOG1K-NET)のご紹介

 台風のせいで出張がキャンセルになり時間が出来たので、製品の紹介をする時間がとれました。現在HP更新が出来ないので、こちらに製品のカタログ画像をupします。

 フィールドで使う観測装置(1KHz電場観測装置 ELOG1K)に追加して使うデータ転送装置(ELOG1K-NET)です。観測装置(ELOG1K)は火山などのフィールドで使う地電位差測定装置です。この装置は軽量・低消費電力の使えるやつなのですが、観測データを取りに行くには装置のところまで行く必要があります。火山など山の中に設置するものなので、携帯電話回線でデータを得る事が出来ればデータを準リアルタイムに得ることが出来て便利です。山に何度も登らなくてもいいですし。

データ転送装置の概要 

 本器内蔵のCPUボードはLinuxが動いています。データ転送には3G回線を使い、3Gモジュールの電源は必要なときだけONします。またシステム全体も必要なときのみ自動的にONになりますので非常に低消費電力のシステムです。通信用のSIMはOCNモバイルONEなので入手が用意です。

ここが特徴的(というか自慢)

 1KHz電場観測装置(ELOG1K)からデータを得る手段としてFlashAirを使っています。これにより本器とELOG1K間にケーブルを配線する必要がありません。またELOG1Kと本器の組み合わせを変える時も、ELOG1KのFlashAirを交換するだけで済みます。

SDカードにデータを記録する装置ならば、別の観測装置にも対応が出来ます。もちろん本器の内蔵ソフトの開発と変更が必要ですが。

 

 基本的に1ロット3台以上となっていますが、ご相談に応じます。この装置を応用した機器の開発も相談に応じます。フィールドでのデータ転送にお悩みの研究者の方、お問い合わせ下さい。

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