九州火山紀行 熊本MT観測編

火山紀行と言っても、今回は火山の観測というわけではないです。フィールドでの観測機器設置に参加して来ました。熊本のある地域にメッシュを切り、磁場と電場を測る観測装置を置いていき数週間程度観測します。その設置作業に1日だけ参加させて頂きました。この前日には大分で観測していた観測装置を撤収して移動してきたそうです。

この観測により、四国から伸びてきた中央構造線の位置を決める手がかりを得ることも出来るかもしれないそうです。九州ではその位置がはっきりしていないそうです。地表に出ている断層は全体の一部なので、地下でどうなっているのかを知ることが重要です。

長期間の観測・設置作業のほんの一日だけですが、自分の製作した観測装置がどんな現場で使われているのかを見るためと、フィールドでの作業を体験しに来ました。

 

一番最初の設置点は田んぼでした。まだ雨が降っている中での作業です。

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九州大学の学生さんが田んぼに電極を埋めるための穴を掘っています。院制ではなく学部生の方ですが頼もしいです。 

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手前の青いジャケットの方が九州大学のA先生です。奥の方の方が東京大学のU先生です。今回は大変お世話になりました。ありがとうございました。

フィールドでは先生自らが汗を流します。そういうところが好きです私は。

電場を測定する電極を東西、南北方向に設置するために距離と方角を測定しています。

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設置が終わりました。田んぼの真ん中にぽつんと緑色のシートで包まれた観測装置があります。 これから数週間もくもくと観測してデータを溜めます。おーい、がんばれよ~。

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別の観測点です。当社製の電場観測装置(ELOG1K)がプラケースの中に入っています。軽量で低消費電力なので重たいバッテリーも少なくて済み、観測の負担軽減に役立っているとのお言葉を頂いております。

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ササッと設置完了です。電極のケーブルが奥から手前に伸びています。ここは畑なので穴は掘りやすかったです。

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また、違う設置場所です。ここは砂利混じりの硬い地面です。なんとか掘り起こして電極を設置します。 

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 電極を埋めました。

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設置終了!こんな感じです。 地面は結構水浸しです。

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これ以外にもダム湖近くのせまい林道を走った山の中や、峠道から山の中に入った観測点の設置も行い大変でした。やはりフィールドでの観測は骨が折れますね。悪天候や予期しないトラブルに襲われます。私は一日だけの参加でしたが、設置作業全体は一週間位続きます。研究のためとはいえ汗を流している研究者の方々には頭が下がります。地震・火山国である日本の地下構造を調べることは、防災のための基礎データになると思います。(<-受け売りですが) 今回のようなMT観測では、未だ日本全国を網羅した基礎的な調査は行われていないようです。こういった仕事に世間の注目が集まり、人員や機材が充実して研究者の方の負担が減ることを願います。

 

今回の観測はMT観測(電磁探査)というもので、地表での磁場と電場(地面の電圧)を測定することで地下深く(kmオーダー)の電気の流れやすさ(比抵抗、電気抵抗)の構造を調べます。水分が多い所や砂地の部分、断層などは電気が流れやすいそうです。火山だとマグマで熱い部分と冷たい岩石の部分で電気抵抗が違います。一般向けの解説書としてはこれがおすすめです。

地底の科学 地面の下はどうなっているのか (BERET SCIENCE)

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この本にはWEBで特集サイトもあります。より詳しく知りたい方は参考にして下さい。

ベレ出版「地底の科学」特集サイト http://obem.jpn.org/chitei/index.html